北見銀座商店街
〜サンロード

Vol.3

北見銀座商店街
〜サンロード

北見市大通西3丁目

◎ヒビサビ度=弐銀

◎銀ブラ推奨度=参点伍銀

北海道はでかい。広い。しかるに遠い。
はるばる来たぜ、北見
わざわざ銀座通りを味わうために〜。

正式な名前は、北見銀座商店街。サンロードというのが愛称らしい。JR北見駅から徒歩で数分、国道に面した通りの入り口には経年劣化と金属疲労に蝕まれているゲートがそびえ立つ。

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よくよく見ると、GINZAのNが落っこちてGIZAになっている。

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ギザ! サンロード! ...って、中川翔子かよ。
早くも、軽く脱力する。

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通りの両側にはお決まりのアーケード。ヒビサビの程度も良好で、奇っ怪なデザインの電球との相性もいい。

アーケードにぶら下がる店のオレンジ色のサインがずらりと連なる様も壮観だ。まさしく商店街然とした商店街だ。各々の商店の表情も悪くないが、アーケードの上、探偵が住んでいるかのような、2階・3階の表情もいい。

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この銀座通りをふたつのショッピングモールが横断している。一番街、二番街というらしい。

キャッチフレーズが泣かせる。

「愛とふれあいの、一番街」
「新しい出会いのまち、二番街」
ヒデとロザンナを彷彿とさせる一文が、看板の上部に堂々と書き綴られている。

愛とふれあい...
新しい出会い...
堂々と言い放ってはいるものの、人影は全く見あたらない。

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ど、こ、で、
だ、れ、と、
出、会、え、る、ん、だ?

商店街の責任者の胸ぐらを捕まえて、大声で糾弾したい衝動を抑えながらさらに銀座通りの奥へ、奥へ。

するとその様相が次第に変わり出す。左に居酒屋の提灯、右にスナックの看板、中央にはキャバレーの料金表。おおおおお。来たよ、来たぜよ。飲み屋街。北見の銀座通りは、奥地へ奥懐へと人を誘う間に商店街から繁華街へと見事に変貌していくわけだ。

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くー、いいね。かー、やるね。銀座マニアの心をもて遊ぶねー。

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なかでも小生の心の臓を鷲づかみしたのは「銀座ビル」なる、言ったもん勝ちなネーミングの飲食ビル。

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昼なお暗い、まるで物の怪の腹の中のような廊下の両側に貧相な扉がずらり並んでいる。

サイケなGINZAのロゴデザイン、漢字の当て字を使った野暮な店名、風前の灯火という表現がぴったりの電飾、すえたような、懐かしいような何ともいえない匂い。

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未だにうまく言葉にできない"あの気持ち"が、胸をぐっと突き上げる。
「今度は絶対夜に来ますぜよ...」
拳をきつく握り、GINZAの看板に再来を誓っておいた。

さて、どこぞで一杯とも思ったが、春の日はまだ高い。飲み屋が開くまではややしばらくかかるだろう。

仕方がないからポケットの小銭を集めて、酒屋で第三のビールを買う。雀の造形をあしらったガードレール越しに閑散とした銀座通りを眺めながら、素早くのどに流し込んだ。

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一気に飲めば、ビールも発泡酒も雑酒も、わからない。

というのは、貧乏人の言い訳なのだろうか...

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