小樽花園銀座商店街

Vol.2

小樽花園銀座商店街

北海道小樽市花園町

◎ヒビサビ度=弐銀

◎銀ブラ推奨度=参点伍銀

 小樽は好きな街だ。特に花園界隈。横丁、脇道、袋小路、スナックや居酒屋の絶妙かつ奇跡的ですらあるたたずまい。歳を重ねるごとに、好き具合の深度が一層増してくる気がする。この花園界隈を南北に貫くのが小樽花園銀座、通称「花銀」である。

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 訪れたのは晩冬の3月。2車線、一方通行の車道にはまだこんもり雪が残っている。

 残念ながら通りのヒビサビ具合はさほどでもない。しかし、地元感たっぷりの商店街の雰囲気はなかなかいい。定食屋、文具屋、だんご屋、寿司屋... 銃砲店のウィンドウに貼られた白茶けたポスターには「まなざしは一瞬を待つ!  爽快、クレー射撃!!」という銘コピー。

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 銀座通り半ばの高架のたたずまいが、またいい。東京の下町然とした、まるで昭和の幻影。軒を連ねるのは居酒屋に寿司屋、つけまつげがずれたママが、シュミーズ一枚で登場しそうなスナック。えもしれぬ郷愁に身もだえていたら、たかたん、たかたん、たかたん... 軽快なリズムを響かせながら頭上を電車が走っていった。

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 ぶらりぶらりと歩を進める中、やっぱり気になっちまうのはこの銀座通りを横切るように左右に伸びるいくつかの魅惑的な路地だ。
スパル通り、かま栄通りだのそれぞれに名前がつけられている。路地の奥に目をやると...
電柱の街灯が悪女のような視線を投げかけてくる。(気がする)
スナックの行灯がおいでおいでと手招きをしている。(気がする)
居酒屋の提灯が一杯飲んで行きなよと誘惑している。(気がする)

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幻想なのか。妄想なのか。願望なのか。いや...たぶん、ただのアル中なのだ。

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 銀座通りの終わり、通りを挟んだ向こうにはまだ新しい雰囲気のアーケード街。その角には地酒の店が。ひょいと立ち寄ると、2階に立ち飲みコーナーがあるという。
「さ、さすがに、まだ、開いてませんけど...」
今にも二階に駆け上がって行きそうなオイラの気迫にひるみながら、店主があわててそういった。そりゃそうだ、まだ2時だ。

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 とはいうものの、どこかで記念の一杯を。寿司屋という柄でもない、ここは中華でビールに餃子といこう。
のれんをくぐったのは、先ほどの銃砲店の隣のお店。キンキンに冷えたビールにのどを鳴らし、もちもちとした餃子をつまんでいると、妙に懐かしいような、昔からここで暮らしているような、錯覚を覚える。
「やっぱり、このぎょうざ、うまいっすね!」
常連ズラして店主に話しかけたら、怪訝な顔で「は、はぁ...」とそっけなく返された。

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小一時間過ごした中華屋を後に、駅へと向かう。

やっぱいいよな。
小樽はいいよ。
花園はぐっとくるよな。
また来たいな。
小樽でじっくり呑みたいな。

などと独りごちていたら、居酒屋の看板にツッコミされた。

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IKKO最近、見ないなー。

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