野球の江川卓じゃないですよ。
佐藤の中で目標を掲げていることのひとつに、
いつか"『カラマーゾフの兄弟』を読み切る"
というのがあります。
20代の頃、意気込んで挑んではみたものの、
まったくもって歯が立たず、挫折。(亀山郁夫訳)
その苦い経験もあったので、
別の作品で弾みをつけ、勢いのまま読み始めればいけるのでは!......と思い至り、
手をつけた『罪と罰』&『悪霊(現在進行中)』。
『罪と罰』は読了しましたが、話を追うので精一杯。
作品の勢いに引き込まれて読み切っただけで、
なんかよくわからなかったのです。
「このままでは、また挫折の繰り返しだ!......」(ラスコーリニコフ風に)
というわけで、江川卓氏のお力を借りることに。
ロシア文学者でもある氏であればこその謎ときが、
本当に目からウロコが落ちまくり!
あの世でドストエフスキーに聞いてきたの??
(今はもう本人に直接聞いているかもしれないですね)
というくらいの鋭い洞察力&深い知識によって、
作者からのメッセージを読み解いていきます。
なんの変哲もない場面にこんな意味が!
前半と後半のここが呼応しあっているのか!
ていうか、
振り返ることが多すぎて読み進められない!!現象に陥ってしまうので、
作品読了後に、読むのをオススメします。
たとえロシア語が読めていたとしても、
真の意味で、読み解くことは難しいだろうなぁー。
世で名作と呼ばれているものは、
やはり名作なのだねえと、
気付かせてくれる一冊なのでありました。
訳違いで3冊読み比べましたが、
江川氏の訳が、佐藤的には一番しっくり。
工藤精一郎氏訳は、
重厚すぎるためかなかなか読み進められず。
亀山郁夫氏訳は、
文章がさっぱりしすぎている印象を受けました。
カラマーゾフを江川卓訳で読みたいんですけど...。
まじで再版希望!