スマイル書房

『マイ仏教』 (新潮新書)
買い取ってやる度
★★★☆☆

「自分なくし」と、『門』再読。

以前、ラジオでみうらじゅんが、
5年かかって『アウトドア般若心経』を
やっと完成させたという話をしてて、
(街中で文字をかき集め般若心経を完成させる。文字の使い回しは不可。)

自分、仏教のことなにも知らないな......
でも、さすがに教典読むのはハードすぎる......

と思いまして、
手塚治虫先生作『ブッダ』と迷った末、
佐藤家の本棚には余裕がないので、
こっちにしました。
(漫画って、すごい場所とられますよね)


前半の、氏の生い立ち→いかにして仏像マニアになっていったのかというくだりは、
あんまりおもしろくないのですが、

後半の、みうらじゅん的仏教観が繰り広げられるところは、非常に納得できたし、おもしろかったです。

諸行無常だし、諸法無我なんだから、
「自分探し」などしても見つかるわけがない。
そんなことより「人のご機嫌をとる」修行をして、
「自分なくし」を目指したほうが、
よりよく生きられるぜ。

、、、というようなことを、
お釈迦さま(とボブディラン)は説いているのではないか、的なことが書いています。
(文字量ぜんぜんない&Q数でかめなので、
詳しくは本書をご覧ください。)


......で、読み終わって、
そういえば、以前「漱石流の自分探し」だと書いたことあるな、と思い出しまして、『門』再読。


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買い直すべきかな。表紙もどっかいっちゃいました。


佐藤は、この、
絶望もないけど希望もない、結局なにも解決しないまま、なし崩しに老いていく夫婦の話を、ことある毎に読むのですが、

宗助も参禅しに行ったところで、
自分が「かえって迂闊に山の中へ迷い込んだ愚物」であり、「門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人」だと気付かされただけで、

自分を証明するために(←佐藤の独自解釈)友人の妻を奪ったものの、結局、自分の存在の小ささを痛感するだけなんですよね。


「自分探し」なんてしたって、
なんにも見つかるわけがない!
だって、旅人でおなじみ 中田英寿が
「自分」を見つけたようには見えないし!

それより、武田修宏とか前園真聖のほうが、
自分のいるべきポジションを見極めて、
がんばってる感じがする。

武田なんて、サッカー選手で全然関係ないのに、
石田純一を脅かす存在にすらなってるし。

「こうだったらいいのに...」
「ああいう仕事のやり方、かっこいいな...」

そんな煩悩をかなぐり捨てて、
目の前の仕事を真剣にこなすのだ!
がむしゃらに向き合うことで、
辿り着ける場所がある!

......と、
テレビに出ていた前園を見て、
気持ちを新たにした佐藤なのでした。


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佐藤家の平野甲賀作「般若心経」。(直筆サイン入り)


祖父江慎との対談で、
「無」を一つずつ書き分けるのに大変苦労したと
おっしゃっていた平野氏。

そういえばみうらじゅんも、
『アウトドア般若心経』で苦労したのが
「無」だと言ってたな。

般若心経の中でも登場回数が多い、
かつ、街で探そうとすると
中々見つからない文字のようで、
その時についた、無煙焼き肉を探すクセが
抜けないらしいです。

ちなみに「若」の字は、
『ちゃんこダイニング若』だそう。

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