生と死の対比。そして20代と付き合うなど先生と加藤茶位なものだから。
作品を読んでもいないくせに、
「ハードボイルドは、イカつい&マッチョだから.........」なんて、ずっと食わず嫌いだったヘミングウェイ。
村上春樹 短編のまえがきでタイトルについて、
「ヘミングウェイの素晴らしい短編(『男だけの世界』高見浩氏 訳)を思い浮かばずにはいられない」的なことが書いてあって気になっていたのと、
佐藤どハマり、レイモンド・カーヴァーがヘミングウェイを愛読していたとのことで、
「短編&メジャータイトルは読んどいたほうが良いかね」......というわけで、
『ヘミングウェイ全短編〈1〉〈2〉〈3〉』&『日はまた昇る』読了いたしました。
タイトルが、ことごとく格好いい。
こんなに繊細で瑞々しいだなんて、まったくイメージしていなかった。
自然の描写が、なまら素晴らしいです。
(これを24歳で書きあげたなんて!)
『二つの心臓の大きな川』での、ニックの川釣り風景と鱒の美しさ。そしてなんと言っても、あの匂い立つようなキャンプ飯!
これは『ぐりとぐら』ホットケーキ以来の衝撃でした。
『短編〈3〉』の「最後の良き故郷」でも、ニックは妹と共に森へ分け入るわけですが、追っ手から逃げているという設定上、どこかかしら暗い影があり、
(『二つの〜』だって"戦争の傷を自然によって癒す"という図が、十分暗いテーマなんだけれども)
ニックが自然の中で、
自分を取り戻してゆく様が生き生きと描かれており、
まるで、側で同じ風景を眺めているような.........。
本当に瑞々しく美しい文体。
短編の中では、この作品がいちばんぐっときたな。
あと、高見浩氏の訳もまじで素晴らしい。
、、、、、で、
なぜ今まで、ヘミングウェイを食わず嫌いしてきたのか。たぶん、この方のせいだと思うんですよね。
"ミスターハードボイルド"
北方謙三先生。
......葉巻......女......ダブルのスーツ......
そして、セカンドバッグ.........。
なんだったら、ヘミングウェイを頭に思い浮かべるとき、それは、北方謙三先生だったりしたわけですよね。というわけで、こちらも併せて読了。
書籍になってた!
ホットドックプレス誌、
伝説的お悩み相談『試みの地平線』。
いよっ!
出ましたこの台詞!
先生レベルに達しないと口にできない、
名言を連発。
先生は還暦を迎えられたときに、
「自分の歳の3分の1の娘(つまり20歳)としか付き合わない」と決めたという、非常に有り余る活力をお持ちの方。
(現在、70歳)
かたや、誕生日を目前に控え、
61歳の若さで、死を選んだヘミングウェイ。
ヘミングウェイの場合、戦争や事故とかもあるので、
比べられないんですけどね。
なんか、ハードボイルド括りということで、
考えちゃうところはありますよね。
60歳で20歳と付き合うって......。
元気があれば何でもできる。
すてきなスナップも数々収録。
サントリー『マカ』をご愛飲という先生。
いつまでもお元気で!!