スマイル書房

『われらの時代・男だけの世界 ヘミングウェイ全短編〈1〉』 (新潮文庫)
買い取ってやる度
★★★★☆

生と死の対比。そして20代と付き合うなど先生と加藤茶位なものだから。

作品を読んでもいないくせに、
「ハードボイルドは、イカつい&マッチョだから.........」なんて、ずっと食わず嫌いだったヘミングウェイ。

村上春樹 短編のまえがきでタイトルについて、
「ヘミングウェイの素晴らしい短編(『男だけの世界』高見浩氏 訳)を思い浮かばずにはいられない」的なことが書いてあって気になっていたのと、

佐藤どハマり、レイモンド・カーヴァーがヘミングウェイを愛読していたとのことで、
「短編&メジャータイトルは読んどいたほうが良いかね」......というわけで、

『ヘミングウェイ全短編〈1〉〈2〉〈3〉』&『日はまた昇る』読了いたしました。


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タイトルが、ことごとく格好いい。


こんなに繊細で瑞々しいだなんて、まったくイメージしていなかった。
自然の描写が、なまら素晴らしいです。
(これを24歳で書きあげたなんて!)

『二つの心臓の大きな川』での、ニックの川釣り風景と鱒の美しさ。そしてなんと言っても、あの匂い立つようなキャンプ飯!
これは『ぐりとぐら』ホットケーキ以来の衝撃でした。

『短編〈3〉』の「最後の良き故郷」でも、ニックは妹と共に森へ分け入るわけですが、追っ手から逃げているという設定上、どこかかしら暗い影があり、

(『二つの〜』だって"戦争の傷を自然によって癒す"という図が、十分暗いテーマなんだけれども)

ニックが自然の中で、
自分を取り戻してゆく様が生き生きと描かれており、

まるで、側で同じ風景を眺めているような.........。
本当に瑞々しく美しい文体。
短編の中では、この作品がいちばんぐっときたな。
あと、高見浩氏の訳もまじで素晴らしい。

、、、、、で、
なぜ今まで、ヘミングウェイを食わず嫌いしてきたのか。たぶん、この方のせいだと思うんですよね。

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"ミスターハードボイルド"
北方謙三先生。


......葉巻......女......ダブルのスーツ......
そして、セカンドバッグ.........。

なんだったら、ヘミングウェイを頭に思い浮かべるとき、それは、北方謙三先生だったりしたわけですよね。というわけで、こちらも併せて読了。


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書籍になってた!
ホットドックプレス誌、
伝説的お悩み相談『試みの地平線』。


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いよっ!
出ましたこの台詞!

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先生レベルに達しないと口にできない、
名言を連発。

先生は還暦を迎えられたときに、
「自分の歳の3分の1の娘(つまり20歳)としか付き合わない」と決めたという、非常に有り余る活力をお持ちの方。
(現在、70歳)

かたや、誕生日を目前に控え、
61歳の若さで、死を選んだヘミングウェイ。

ヘミングウェイの場合、戦争や事故とかもあるので、
比べられないんですけどね。

なんか、ハードボイルド括りということで、
考えちゃうところはありますよね。

60歳で20歳と付き合うって......。
元気があれば何でもできる。


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すてきなスナップも数々収録。

サントリー『マカ』をご愛飲という先生。
いつまでもお元気で!!

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