正確には銀座通りじゃないのだけれど
全国の(推定)500万人の銀座通りフリークの皆さんに
ぜひともご紹介したい通りがあるのだ。
名前は温根湯商店街。
道東の北見市留辺蘂町にあるいにしえの名湯、
温根湯温泉街のほぼ中央に位置する街路で、総延長は300メートルほどだろうか。
とかいう説明などより、その全貌を写真でごらんあれ。
しーん。
しーん。
さらにしーん。
静かだ。人影はない。
あたりに立ちこめるのは、なんともいえない寂寥感。
西部劇で荒野に砂ぼこりが舞い、
そこを針金を丸めたみたいな植物がくるくる転がっていく...
そんな光景が目に浮かんだよ。
どうやら一帯は再開発を待っているらしい。
店という店は堅く扉を閉ざしている。
陰々滅々の風情を堪能しながら、半ばゴースタウン化した界隈を歩く。
目を引くのは、奇っ怪なロゴをあしらった店名たち。
書体がどうかしちゃってる。
あの、書体が怖いんすけど。
だから書体が怖いって。ちっともハピネスじゃないっての。
そして私の心に強烈なインパクトを与えたのが...
これ。
ストリップ劇場 ヌード実演ピンク
潔ささえ感じる堂々としたサイン。
おい。
おいおい。
おいおいおい。
おいおいおいおいおいおいおいおい。
誰になのか、何になのかわからないけれど、
猛烈にツッコミをいれたい衝動に駆られるよ。
あー。
かつてここでは、
大仏みたいなパーマを当てたおばちゃんが客引きをやっていて
入り口の横には立て看板があって、
「アミーゴ鈴木 珠玉のヌードショー!!」とか書いてあったんだろうなぁ。
大仏おばさんは、
酔った温泉客を強引に店内に押し込んだりしてたんだよ。
入場料2500円くらいかね。
しばらくしたら、
ショーの始まりを知らせるブザーが鳴って
ヴァラヴァラヴァ〜♪と、ムード歌謡が流れるのだ。
ピンク色のライトがステージを照らし出し、
どんな娘が登場するのかと思ったら、
あろうことか、
さっきの大仏おばちゃんが、
外人もどきのつけ鼻で
スポットの中に浮かび上がるっていう、
おぞましい茶番劇が繰り広げられたりしたんだよねぇ。
哀愁の奥にはびこる
情けなさと可笑しさとその他もろもろのカオス。
一枚のシャッターが
こんなすばらしい話を思い起こさせるのだから
いやはや、ひびさびシャッターも捨てたもんじゃない。
なんてことを考えてこのあたり、
ぐるぐる散策しちゃったよ。
きれいになるのもいい。
清潔になるのも、新しくなるのもいいけどさ、
この佇まい、何とか残せないものかなぁ・・・
なんて思ってるのはオイラだけ、なんだろうねぇ。