世にしるき 王子の工場
拓けゆく 勇払の野に
波の音 楽と響きて
歳月に街は幸おう
たたえよ ああ我が故郷...
その商店街の入口に立った
ワタクシの口をついたのは、かの昭和の名曲であった。
たたえよ ああ我が故郷 わが故郷 故郷 故郷 こきょ......
...って、気分よくフェードアウトしても
ま、誰も知らんね。なんたって、苫小牧東小学校校歌だからね。
学校出身者以外にとっては、生涯カンケーネーソングだもんね。
前置きが長くなったけども、
記念すべき第十回の銀座探訪は
マイホームタウン
TOMAKOMAI CITY の一条銀座通。(現在は大町銀座通というらしい)
小学校の行き帰り
毎日のように通った道。
市場があり小さなデパートがあり
おもちゃ屋があり酒屋がありメガネ屋があり
蕎麦屋がありカレー屋があって、どの店もウルトラ繁盛していたのだが...
数十年の歳月を経た今は
銀座通の宿命ともいうべき無残な姿もちらりほらり。
寂しい。
ただただ虚しい。
銀座通りには神も仏もおらんのか...
うーん。
改めて強く思うけれど
ヒビサビ銀座は、
たとえ瀕死状態でも
なんとか生きながらえているという崖っぷち感や
興隆の果ての没落ぶりがいいのであって、
リアルに「閉店ご臨終」ばかりでは、やはりやるせないよなぁ。
とか思いながらポツポツ歩いてたら
やっぱりありましたよ、
素晴らしき栄枯盛衰ドラマを醸し出す建造物たちが。
おおお。いいねぇ。模範的な朽ち方だがや。しかも堂々営業中。
石蔵はここまで欠け落ちて本物になる也。もちろん営業中。
ツタがからまり... 過ぎてるって。窓も見えないよ。ご愛嬌。
屋根から轟々と髪の毛が生えてる...みたい。 あわわ、恐いねぇ。
店名が「ドモネ!」
挨拶してる場合じゃないって。屋根の剛毛、伸びすぎ。何とかしなさいよ。
飲食店街ってアーケードだけが... ぽつーん。
強烈なツッコミを入れたくなるパターンのヤツね。
寂寥感バリバリの神社の鳥居が... ぽつーん。
なんてマニアックな枯れ系の風情の一方、
シャッターとシャッターの間に
最近流行の屋台村ができていたり、
恒例の寄り合いスナックビルが行灯を灯していたり、
鉄人28号がいたりと、いやいや俺たちどっこい生きてるぜ的な、佇まいも。
故郷だから余計にだろうけど、
柄にもなく
瀬戸際でも瀕死でもいいから生きながらえておくれ...
と切望してしまったよ。
生きてこそ 生きてこその 銀座なり
そんなセンチな思いを癒やすのはあれしかない。
暖簾をくぐったのが「千じろう」なる焼き鳥屋。
ヒビサビ銀座によく似合う佇まいとは対称的に
二代目らしき若いご主人が
一心不乱に焼き鳥を焼き上げておりました...
すげーうまかった