ブローグ横丁

2014年11月5日 10日目にパンツを履く。

365日のシンプルライフ。
フィンランドの若者の手による実験映画だ。

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ストーリーも至ってシンプル。
モノに囲まれた暮らしに嫌気がさし
自分の持ち物を全てを倉庫に預けた主人公。
何も持たない、衣類すら身につけないスッカラカンの状態から
毎日1つずつ、「本当に必要なもの」だけを持ち出していく日々を
ドキュメントタッチで追っていくという作品だ。あ、食べ物は例外ね。

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↑ これが自分に課したルール。


ネタバレしちゃうので
詳しくは記さないけれど着眼点がとてもいい。

うんざりするくらいにモノにあふれた現代社会への風刺のような
誰もが一度は妄想する何もない暮らしへのトライアルのような
フィンランドの若者たちの生き様に親近感を覚える青春活劇のような映画だ。

いや、そんな偉ぶった評論をしたかったわけではなく
これが自分が主人公だったらどうなんだ、と考えたわけで。


想像してみる。
物質社会に嫌気が差し、
あらゆるものを倉庫にあずけて、全裸になった自分。
カメラがモザイクを駆使しながらその様子を撮影する。
が、よく見るとお尻にウイスキーの小瓶を挟んでいる。てへへ。照れる。
監督は笑わない。無言で没収される。
入念に調べると、足の指に間に珍味を挟んでいる。こざかしい。
リアルに叱られる。猛烈に反省する。

映画が始まる。

一日目。寒い。寒いから倉庫から服を取ってこようとするが
同じ温まるならこれだと思い返し、ウイスキーの小瓶を取ってくる。呑む。
二日目。強烈に寒い。息が白い。鼻水がすごい。
ウイスキーの小瓶では一時しのぎにしかならないことに気づく。反省する。
ウイスキーの大瓶を取ってくる。
三日目。猛烈に寒い。手足には凍傷。その上に猛烈な二日酔い。猛省する。
スポーツドリンク(ウコン入り)を取ってくる。
四日目。凍える。前髪につららが出来ている。死神が見えた。(気がした)
ただ昨日のドリンクで二日酔いは回復した。迷う。葛藤する。男心が揺れに揺れる。
が、やにわにすっくと立ち上がり、奇声を上げながら、熱燗を取ってくる。


...五日目。監督もカメラも来ない。途方に暮れる。

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