「カヤックに乗って、自転車を漕いで、最後に山に登る。
そんな大会があるんですけど、取材してもらえませんか」
・・・という電話がかかってきたのが、わずか2週間ほど前。
それってトライアスロンですか?
鉄人レースですか?
鉄人28号のリモコンはボタン3つでいいんですか?
と、数々のギモンが頭をグルグルと巡っている内に
気が付けばスタートの朝が訪れていました。
北海道は湖からのスタートですが、他の大会では文字通り
sea(海)からsummit(山頂)を目指すというもの。
主催はアウトドアブランドでお馴染みmont-bellさん。
提供してもらったスペシャルツナギで参戦です。
さて、北海道大会のステージは大雪山のふもと、東川町。
最初の競技は忠別湖でのカヤックです。
天候には恵まれ、絶好のカヤック日和。
風を切って進むぜ!
と颯爽と漕ぎだしたものの、なかなか真っ直ぐ前に進みません。
ありゃ?
ありゃりゃ?
右にふらふら、左にゆらゆら。
千鳥足ならぬ、千鳥カヤック。
酩酊し路地裏を歩く、ワタクシのような蛇行ぶりです。
それでも必死で腕を動かし、なんとかゴールした時にはビリから3番目。
いきなり最下位候補です。
次は自転車。
よーし、ここで挽回だとペダルを踏み込む足に力を込めます。
待ち受けるのは長〜い上り坂。
どこまでも続く坂。
終わらない坂。
坂、坂、坂。
坂ビスケット・・・。
汗はだらだら、足はパンパン、お尻はヒリヒリ。
挽回どころの騒ぎではなく、むしろ順位を一つ落とし、ビリから2番目でゴール。
ちなみにこの大会で一番しんどかったのが自転車です。
最後は山登り。
目指すは北海道最高峰、大雪山旭岳。
他の大会では自転車のゴール地点から山登りが始まりますが、
北海道大会ではロープウェイを使って山の中腹に登り、そこからスタートするというスペシャル仕様です。
山は当然険しくなり、周りにも「それなりの装備」な人たちばかり。
でもこういう軽装なガイジンさんもいて、びっくりするのです。
「そこに山があるから登る」と言ったのは
ジョージ・マロリーだったか
ジョージ・クルーニーだったか
高橋ジョージだったか。。。
思考能力が低下し始めた頭で
くだらないことを考えながら重い足をなんとか前に進めます。
かつてアイヌの人々は「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼び敬ったという大雪山。
視線を上げると、躍動感のある美しい山肌がどかーんと眼下に広がっていたのでした。
とっても素晴らしい景色ですが、疲れが吹き飛・・・びはしませんね。
執拗に、粘着質に、疲れが全身にまとわりついているのです。
それでも残ったわずかな体力をギューッと絞り出してなんとか山頂に到達。
標高2,291m。北海道最高峰です。
スタートから実に約7時間が経過。
カッコつけてガッツポーズを決めていますが、
ここでも順位を一つ落とし、堂々の最下位でゴールです。
この大会のレポート記事(まともなやつ)がアウトドア誌ガルヴィ9月号(8/10発売)に掲載予定。ぜひご一読を。
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