北海道の東西南北を訪ね歩き、
農にまつわる多彩なドラマや
心温まる取り組みを一冊のマガジンにまとめ上げる、
農styleのキャラバンが今年も始まった。
先日足を運んだのは七飯町。
新日本三景にも数えられる景勝地大沼から
山を一つ越えた風光明媚な丘に
手づくりの家と家畜舎を構え
自然の恵みだけを糧に育った羊や山羊のチーズを拵える、
なんとも魅力的な一家を訪ねた。
3時間を超える取材(と、深く楽しい雑談)だったけれど、
紙の上の活字となるのは半年先。
ぜひ楽しみにしていただきたい
(...とか書くと、
己の首を絞めることになるのは、重々承知なのだけれどネ)
と。
ここで終わってもいいのだけれど
ここで終わらないのが、ワタクシ担当のブログ。
今回は
道南キャラバン(ナイト編)で出会った、
悶絶系佇まいの名店をご紹介。
ま、だれも要望しないだろうけどもね。
「かしら屋」
全国10万人の(内シーズに三人)コの字カウンター愛好家に支持される、古典的焼き鳥屋。
微妙に散らかった店内でいただく、微妙にサンマ蒲焼きの缶詰の味わいに似た焼きタレが
微妙に旨い気が微妙にする。
焼場の大将の姿が粋。カウンターのお姉さんに愛想を求めるのは野暮。
「津軽屋食堂」
酒場から装飾に類するすべてを取っ払ったらこうなりました的な酒場。
というか食堂なのだけれど、どこか場末酒場の匂いがする、気がするんだよなぁ。
お邪魔したときも妙齢の女性が「ひじき」をアテに日本酒をやっつけていた。
「姉さん、あんたプロだね...」という熱視線を送っておいた。
「来々軒」
今回の一番の収穫。店内はアールデコを彷彿させる昭和モダンな佇まい。
齢八十くらいの、可愛いおばあちゃんがウルトラスローモーに給仕してくれる。
ビールをお願いしたら、ラーメンが出てきた。 ...泣けた。
「スナック岩木山」
力士がお迎え...してくれそうなネーミングだけれど、
弘前出身の津軽弁ママが切り盛りする、スナックという名の古酒場。
海峡を越えてやってきた「なまり」がパワフルすぎて
半分くらいしか会話が成立しないけれど、
手振りとニュアンスで笑い合える。嗚呼、ニッポン万歳。津軽海峡冬景色。
「太郎」
奥に見える看板が太郎。2枚目の客を見送ってるのがママさん。
「お客さんのボトルは、ママのボトルでもあるってことだべさ」と
一杯ひっかけつつ、無法地帯的な爆笑トークを炸裂させるカウンターの向こうで、
無口なご主人が、霊のように佇んでいた。ナンマンダブ。 相対性おしどり夫婦。
で。
番外編は...「どこかしらない酒場」
どこかしらないけれど、
行ったことは薄ぼんやり覚えてて...
時計外したのも記憶にあるけども...
どこのどういう店か、
どんな母さんがいたのか、
何を呑んだのかさっぱりわからんという店。
奇跡的に時計は忘れてこなかった...
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