衣装に定番があるように
出張族に定宿があるように
食堂に定食があるように
不肖山本には、定酒場がある。
仕事に疲れたとき
人付き合いに困憊したとき
そして...
ただ飲みたいときや
なんだか呑みたいときや
果ては何かが欠乏し...
手の震えブルブルブルブルと止まらないという緊急時にも
そそくさと足を運ぶのだ。
もちろん昭和酒場だ。
全体的にくすんだ佇まいだ。
壁には、なんらかの選手の色紙や
なんらかの選手の写真や
どこだかのペナントや妙に生々しい鬼の面や
得体のしれない金色の扇型の何か...のほか、
聞いたことない演歌のチラシとか
ジョッキを片手に半笑いしている水着ギャルのポスターが
これまたくすんだ色合いで貼られている。
つーか、人生、負け越してるやないの...
そんな佇まいだから、
客層もおっさん割合が95%を超える。
客層もくすんでいるのだ。
あと、近所のばあちゃんも来る。
つまり、
おっさんとおばあちゃんを足して、客は100%だ。
これでコンプリートだ。
コンプリートの使いドコロが違うかもしれんけども。
で、先日
このマイ定酒場が新聞で紹介されたのだ。
マスター、お世話になっております。
ワタクシの安穏と憩いの場が
世間様に公になるのは
寂しいような、
悔しいような、
なんだか複雑な気持ちだけども...
いや、それは言うまい。
ただ。
ただ。
ただ...
この期待感を煽るような一節は
この男心を弄ぶフレーズだけは、見過すわけにはいかない...
女性の
おひとりさまって...
ば、ばあさんやないの!
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