ブローグ横丁

2016年6月7日 昨夜の酒場、今宵の酒場。

相変わらずです。
あいも変わらず、
呑んだり(書いたり)飲んだり(寝たり)彷徨ったりしております。


一人で、酒友と、
たまたま横に座ったオッサンと。
なのでそのあたりの備忘録を。忘れないうちに。


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チャリ通の途中で立ち寄った酒場。
外見も素晴らしいけれど
店内の佇まいも、脊髄やら尾てい骨あたりにグッと来る。
そして店主のお人柄がいい。
笑顔を絶やさない、相槌が絶妙、意外とおちゃめ。
三拍子そろったサケノミクス。
椅子という椅子のネジが緩みまくって
バランスボールの上に座って呑んでるみたいだったけども
...そこはお愛嬌。

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北区の片隅にある老舗酒場、鳥勝。
数年前まで女将さんが切り盛りしていたのだけれど
脳梗塞で倒れてしまい、
現在は旦那さんが店に立っている。
カウンターだけ。
肴も数品しか揃わない。
瓶ビールを頼むと
「じゃ、買ってくる」と、毎回溜息をつくので
「あ、焼酎でいいや」と、毎回云い直す。
次は最初から焼酎を頼もうと、毎回思う。
そして毎回長居してしまう、居心地がいいから。


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サツエキ北口のセピア酒場。店名はうみぼうず。
自分が、最初に(まともに)就職した編集会社が
同じビルにあったこともあり、
昼飯の出前を頼んだり、当時の社長に連れられてお説教を食らったりと
思い出がこんもり詰まっておる。
焼き鳥、鍋、揚げ物と料理はひと通り揃っているのだが
どの料理も、なにかが、どこかが、
欠けている気がするのは気のせいか。
もしかしたら。それこそがこの店の持ち味なのかもしれんね。
いずれにしても、自分には特別な懐古酒場、
今後も長く永く生きながらえてほしいと、切に。


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赤平にある感涙食堂。
風雪を耐えしのいだ暖簾の残骸...  いや、佇まいが素晴らしい。
気っ風のいいお母さんが一人で厨房に立つ。
自分を含む訪れた数名が
思い思いのメニューを頼むと、
母さんの眉間に険しいしわが寄った ...気がしたので
「みんな醤油ラーメンで」と、すかさず訂正した。
石炭で釜の湯を沸かすという
炭鉱町の風情を今の残す名店。
ラーメンもすこぶる旨い。


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小樽の路地裏の奥に佇む酒場。
店名はお伝えできないけども、
ここはもう泣きたいほどに素晴らしい酒場。
いや実際に泣けるんだよなぁ...
漬け物をかじってはホロリ、
ビールを呑んではホロリ、
焼き鳥を注文してはホロリ、
移ろう時の流れと世の無常にホロリ...
と、カウンターの端っこで酒を啜りながら
自作自演のドラマに
どっぷり浸り込んでいる涙目のオッサンを見て
店主はドン引きなのだけども。

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すっかり地元になりつつある麻生、
その昭和寿司屋。
御年八十を超える可愛い大将は
おしゃべりが好きで
界隈の昔話やら人生のよもやま話やらを
名調子で聞かせてくれる。
一杯ごちそうさせてというと
「俺はこれで酔える」と
喉を鳴らして
ノンアルビールを飲み干すのだ。

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最後は五年ほど前まで住んでいた大谷地の酒場。
というより蕎麦屋。名前はかのん。
かなり老朽化した建物だったので
一念発起のリニューアル。
夜の暖簾が「酒」の一文字がなんとも潔い。
店主夫妻は優しく気さく。
この街で上手に月日を重ねてほしい。

と、なんだか酒場案内見たくなったけども。


...今宵はどこに行こうかねぇ。

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