おつかれさまです。佐藤です。
先日、実家に帰った際、
20年前に集めていた『花椿』をごっそり、持って帰ってきました。
(だいぶ捨てたんだよな。惜しいことをしたもんだ。)
仲條正義氏よ、安らかに。
懐かしい。懐かしすぎるよ......。
資生堂の化粧品コーナーの脇に置いてあって、
新しい号が出るたびに、ちょこちょこ集めていました。
地元では知り得ない、(あの頃はインターネット黎明期......)
ファッションとか、カルチャーのこととか。
仲條正義氏の斬新なレイアウトと、
紙面から醸し出される、モードな雰囲気に、
毎号、ワクワクしてました。
脳内で、東京のナウい出版社を想像しては、
ひとりで、うっとりしていた、20歳の頃を思い出しつつ。
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昔から、
『雑誌』という媒体が、なんとも言えず、好きです。
ファッション誌とかカルチャー誌を、ごっそり買い込み、
酒を飲みながら・テレビを横目に見ながら、とめどもなく読む。
この雑誌特有の、雑然とした読み方が、なんとも言えず好きなんだ。
ぱらぱら眺めてもいい、じっくり読み込んでもいい、
巻頭から見てもいい、巻末から見てもいい。
雑誌を彩る、華やかな 写真・デザイン・文章......などなどに、
励まされたり、物欲を刺激されたり。
美しい誌面で組まれた、モデルや洋服たちの、輝きといったら!
そして、いわゆる「ザ・広告」というのではなく、
「花椿」らしい、素敵な広告を眺めるのも、好きだったな。
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雑誌をめくっている間は、
都会の空気を、胸いっぱいに吸い込んだような、
そんな、気持ちになります。
(根津美術館に行った帰りに、DOWN THE STAIRSでお茶して、
PRADAの外観を仰ぎ見つつ、COMME des GARÇONSに寄ってみようかな......とか)
ページをめくる時の、かすかなインクと紙の匂いは、
わたしに、
ショッパーから、買ったばかりの洋服出す時の、
あの、紙の匂いを、思い出させます。
雑誌をめくる時の、なんとも言えない高揚感は、
そういう期待感を、想起させてくれるからかもしれません。
2016年にリニューアルした『ku:nel』。変貌ぶりに賛否両論ありましたけれど。
実際に読むとわかるのですが、
ボリュームのわりに、比較的 軽くて持ちやすいんですよね。
蛍光インクを使ったり、
チャレンジ精神を感じつつも、上品な仕上がりの紙面。
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『Arne』も、なかなかに振り切った雑誌でしたよね。
そして、
淀川美代子氏を特集していた、
2005年発行『Arne』11号を、引っ張り出して、読み返す。
ソニア・パーク氏を教えてくれたのも、この号でした。『ソニアのショッピングマニュアル』も買ったなー。
淀川氏のことを知ったのは、お恥ずかしながら、つい先日。
『Ku:nel』の編集長が変わっていて、ググってみたら 涙・・・・だったのでした。
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若かりし頃のわたしに、
都会の、アーバンな香りがする風を運んでくれていた方々の、
続けざまの訃報に、ちょっとしょんぼり。
なんだか、無性に、
東京へ出かけたくなった、わたくしなのでありました。
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